行商人
展覧会:2014年、イスタンブール/トルコ。
イスタンブールのリズムはモニュメントではなく、通りにある。 行商人 都市の日々の鼓動である男たちを記録している。このシリーズでブッラク・ブルット・ユルドゥルムは、その仕事ぶりと存在感で都市の風景を決定づける露天商たちにレンズを向けた。
ユルドゥルムは単なる観察にとどまらない。彼は人とのつながりを築く。被写体は無意識のうちに撮影されるのではなく、直視したり、微笑んだり、歓迎のジェスチャーをしたりする。このシリーズは、単に商品と金銭の交換ではなく、写真家と被写体との間の認識の交換の瞬間の上に成り立っている。写真には、日常の中にある尊厳が写し出されている。
モノクロという選択は、これらのシーンをジェスチャー、表情、街の質感といった本質的なものだけに絞り込む。色に邪魔されることなく、私たちはまず人物を見る。 行商人 は、イスタンブールの人々を通して都市を描いたものであり、これらの業者を匿名の人物としてではなく、イスタンブールの物語における重要な登場人物として描いている。